吃音とは

吃音の研究で超有名なヴァン・ライパーは次のように吃音を定義しています。

「吃音とは、語音・音節または構えの異常な繰り返しまたは引き伸ばし、あるいは回避反応ないしモガキ反応によって、正常な言葉の流れが邪魔される現象である」

この定義において回避反応ないし、モガキ反応といった特別な表現が導入されてきている。これは単なる流暢さが欠如した機能的な言語障害であることのほかに、吃音者自身が自分のことばによる表現活動が異常であることを認識していることを示唆する表現である。そこで、それを何とか防衛しようとして、いわゆる随伴運動が出現する。それには発語器官およびその周辺部のけいれん状の筋肉反応やそのほかの精神的、身体的反応を伴うことが定義の中に含まれることを意味しているのである。

管理人の考察

ずいぶん難しい表現をしていますが・・要するに、吃音っていうのは、「どもる」症状と「回避反応・モガキ反応」の両方がある、ということ。ここで、みなさん。ちょっと考えてみてください。吃音はふつうの人でもありますよね? ふつうの人でも、驚いた時や何かショックなことがあったときとか。

例えば、漫画の中。私は「北斗の拳」が大好きですが、あの漫画の中にも、「な、何~」「ケ、ケ~ン!」とか、たくさんありますよね。漫画の中では、ケンシロウなど登場人物は、セリフでよくどもってますが、彼らは吃音者ではないですよね。

つまり、ヴァン・ライパーが指摘しているのは、そこの部分なんです。ケンシロウやその他の登場人物は「どもる」症状だけで、「回避反応・モガキ反応」がないんです。だから、彼らは吃音者ではない、ということ。
つまり、自分がどもることを認識し、それを回避していたり、モガイていたり・・そういうものが、吃音者の特徴だ、といえるわけです。

参考文献

言語障害 (情緒障害児双書)

吃音の診断と指導 (講座 言語障害児の診断と指導)