吃音の幼児・接し方

どもり始めの子どもは、自分の吃音を意識していません。たいていは、母親・父親または周囲の人たちによって吃音を指摘されることがほとんど。
このHPの管理人である私も例外ではなく、4~5歳頃に父から指摘され、自分のどもりに気づきました。ここで、私の家庭環境を、みなさんにご紹介します。吃音のお子さんをお持ちの方、参考にしていただけたらと思います。

参考例:管理人の家庭環境

<家庭環境>
両親、私、姉3人、父方の祖父母の計8人家族。父・母は自営業(商店)。家族の中で、吃音は私だけです。

<母親>
いつも忙しくしてました。子どもが私含めて4人だし。お店の手伝いもしてたし。母と祖父母は仲が非常に悪く、母はいつも愚痴を父に言ってました。ときどき私にも言ってきてました。

<父親>
店を経営してました。父の性格は内向的。人と冗談を言ったり・・とか、できないタイプの人でした。お酒もタバコもすってませんでした。

<その他>
父は私に比較的厳しかったと思います。跡取りとして男の子が欲しかったそうです。姉3人だったこともあって・・やっと男の子が誕生した~って、喜んでくれていたそうです。でも、内向的な父は、自分のその内向的な性格をコンプレックスに思っていたようで、私には外交的な人間になってもらいたかったようです。そういうこともあり、「しつけ」に関しては厳しかったと思います。挨拶とか特に。親戚の人とかが家に来たときは、「挨拶しろ!」と無理やり前に出されて・「何か話せ」とか、言われてました。まぁ、父からすると、父は人づきあいが苦手なので、私にそれを押し付けるかのように、よく人前に私を押し出してました。私がイヤで戻ろうとすると、背中をぐっと、おされて。。。

幼稚園の頃、父が仕事から戻って私は幼稚園の出来事とか話したくて父に話そうとしましたが、父から「もっとゆっくり話しなさい」「落ち着いて話しなさい」とか言われてました。その指摘により私は自分の「どもり」を認識することになったわけです。というのも、父が帰るとすぐに母は祖母の愚痴を父に言いまくるんです。父を独り占め、みたいな感じで。私がしゃべる時間は少ししかなくって・・・・私は言いたいことがいっぱいあって・・・だから、どもったのだと今では思ってます。
あと、父は私の話をあまり聞いてくれませんでした。父は・・・嫁姑問題で頭がいっぱいだったんだと思います。それに、姉も3人いるんで・・・父は私だけの父ではない・・そういうことなのだと思います。
母も同じです。「今日は幼稚園(学校)どうだった?」なんて聞かれたことは一度もありませんでした。母も嫁姑問題や、姉たちのこと・・・考えることがいっぱいあったんだと思います。ただ・・当時の私はそれがわからず・・・なんで聞いてくれないのか?なんで、父の言う通りに「いい子」をしてるのに、僕に愛情をくれないの?・・・そんなふうに考えていたのかもしれません。。。
私なりに当時はいろんな葛藤があったのだと思います。

子どもへの接し方

吃音の専門書である「情緒障害児双書・言語障害」から下記を抜粋しました。

言語障害 (情緒障害児双書)

<第1段階におけるアプローチの注意点>(ルーパーとマルダー、1964)

  •  子どもの話し方で、周囲の人がいらいらしているのをわからないようにする。
  • 親は自分の子どもを「どもり」とか「吃音」というのをやめる。今のところ話すことがやや困難さをもつ普通の子だと考える。
  • 子どもが話す時はそちらに目を向け、彼が言おうとしていることに関心を示す。そして彼と話すのが楽しいのだという表情をする。
  • よい話し方のために、子どもに不適当な圧力をかけるような練習は避ける。
  • 周囲の人、特に親の話しことばをせっかちにしないようにして、子どもが模倣するためのよいモデルとなる。
  • 子どもの困難性を減少させるのに役立ちそうなトリックやおまじないを教えてはいけない。
  • はじめて会った人や訪問者の前で子どもに話をさせたり、朗読させたりするのを強制しないこと。もし、彼がやりたがっていたら、やらせてもよい。
  • 長々と答えなければならないような質問を彼に求めないようにする。明らかに短い答えが可能であるような質問をする。
  • もし、子どもが自分で流暢に話すことができないということに関してフラストレーションを感じているようであれば、誰でも話すことに困難を感じているということを知らせてやる。

上記のような接し方で問題はないと思います。
子どもなりに何らかの葛藤を抱えている場合が多いので、子どものしゃべる内容をしっかりと聞いてやって下さい。

公的機関を利用

児童相談所などでも相談ができるそうです。

吃音治療について

幼児の吃音は、通常、幼児に対する直接的な指導ではなく、両親に対しする指導が中心のようです。場合によっては、遊戯療法もあるようです。幼児が小学生の場合には、幼児に対して、同時音読法など直接的な指導もあるようです。なお、詳細な治療方法は、専門家にお尋ねください。