失敗のイメージトレーニング

どもらないようにしたけどどもりまくってしまった(失敗した)というイメージをトレーニングします。(なお、この方法は、系統的脱感作の自己流にアレンジしたものです。)
※系統的脱感作は、不安場面をイメージしますが、この失敗のイメージトレーニングはどもりまくって失敗することを想定して行うので、通常の系統的脱感作より踏み込んでいます。
このイメージトレーニングは①負の練習法と同様の効果が得られる②吃音耐性を身につける効果が得られると思っています。

予期不安の消去

吃音者は「どもったらどうしよう~」と予期不安があります。どもっても大したことがない、ということがわかれば・・・予期不安は消去できると思っています。
例えば、電話しなければならない状況。電話は・・不安ですよね。自分の名前はと言えるかな。会社名は言えるかな。。などなど、予期不安に陥ります。そんなとき、激しくどもったケースをイメージするんです。

イメージすると身体はどんな感じがしますか。恥ずかしいですか。逃げ出したい気持ちになりますか。罪悪感を感じますか。情けない感を感じますか。
負の情動を感じた時にそれを拒否せず、その感覚を感じ取って下さい。身体が慣れるまで。

慣れるまで時間がかかるかもしれません。でも、失敗した時のイメージをして、負の情動を感じた時にそれを拒否せず、その感覚を受け入れて、十分に感じ取れば・・その感覚に慣れていきます。
その感覚に慣れれば、予期不安は吹っ飛びます。

 

吃音耐性

吃音者はどもらないようにすればするほど吃音を意識して、結果としてどもってしまうことが多いですよね。そして、どもってしまったときに、「あ~、やってしまった」「なんで、いつも俺はこうなんだ」とか罪悪感・挫折感・情けない感など負の情動を感じてしまいます。
負の情動を感じないようにするには・・「こういうふうにどもろう」と、予めイメージしておけばいいわけです。

例えば、電話をしなければいけない状況。予期不安になりますよね。そういうとき、「こんな感じでちょっとどもりながら、言ってみよう」「こんな感じでどもりながら、楽に言ってみよう」など、どもるパターンを先に想定しておけばいいわけです。イメージした通りにどもっても、負の情動は抑制できます。むしろ、達成感を感じるかもしれません。