管理人の吃音改善の過程

管理人の吃音が軽減していく過程です。ご興味のある方はお読みください。

吃音を改善しようと思ったきっかけ

E1322470035017_1失恋がきっかけです。(正直すぎてすみません。不快な方、すみません)
その半年ほど前、初めて彼女が出来ました。吃音でも・・彼女が出来た~!って思って超Happyでした。それが「好きな人ができた」と言われて・・それがじつは「私のバイトの同僚である友人」だった、というのがオチでした。。。要するに、私はバイトの同僚である友人に「男」として負けたわけです。

いや~、もうショックでした。単に振られるだけならまだしも、友人に男として負けた・・というのがショックで。ダブルパンチみたいな感じ。。。しかも、大学3年で就職活動が始まる頃。企業研究とかで説明会がいくつかあって。私は振られたショックでそれどころではなくって。私は某有名大学で両親からは将来を期待されてたんで・・・もうどうしよう・・って感じで。。。吃音はもちろん悪化しました。夜は眠れなくなり、食欲もなくなって・・私は風邪をこじらせ喘息にもなりました。夜中にテレビのCM見てるだけで・・なぜか涙が流れる・・ほど、もう放心状態。

20080126065928私は中学の頃から、吃音がありながらも、いわゆる優等生をやってきていました。勉強では偏差値68をキープし、クラスでは1、2番の成績。塾の中ではもちろん1番。バスケットボール部のキャプテンもやり、空手も習ってましたが、東日本大会で準優勝・・。美術の絵が某市で表彰され・・・某有名大学の付属高校に入り・・などなど吃音でもできる限りのことを一生懸命やってきたつもりでいました。積み上げてきたものが・・・・一気に崩れていくような感覚に陥ったわけです。勉強で成績が落ちるとか、スポーツで試合に負けるとか、そういうことよりも・・・「男として負けた」っていうのは・・私には相当にショックな出来事だったわけです。しかもその男は「野口五郎」風の濃い顔の男。。。。いや~、今でもむかつきますね。(笑)将来は・・どうしよう。。。もう自殺しようかな。。なんて考えて自殺サイトをネットで見てました。
でも、転機が訪れました。レンタルビデオである映画を借りてきました。「マイ・ライフ」だったかな。あれを見て・・・死ぬまでに、できることをやろう!って前向きになれたんです。それで吃音を治そう!って、考えました。

 

吃音改善に向けての行動①

9c88e25a5315273851e8b9c523d4e224_s電話帳で吃音矯正所を調べました。で・・見つけたのが「心理○○○」。私はすぐさま、どもりながら電話しました。吃音者は人口の1%いる・・とか、吃音で悩んでいる人が他にもたくさんいる・・などなど、いろいろなことを教わりました。ちなみにDAFを使った治療法でした。吃音矯正所は・・・民間療法ですよね。だから、やっぱり不安がありました。
私は騙されているんじゃないかって。
だから、自分でも図書館で吃音のことをいろいろ調べました。大学の図書館で吃音専門書を発見しました。たしか・・「情緒障害児・吃音」だったかな。心理学の行動療法で有名な小林重雄先生の本でした。DAFのこともそこに書いてありました。系統的脱感作用や緊弛緩法など、シャドーイングとか。その「心理○○○」のやり方とほぼ同じことが書いてありました。あ、私はその企業とは、何にも関係ないですから。なので、あえてDAFはあまり触れません。ちょっとは書きましたけどね。(笑)
※DAFについては、あえて、詳細は触れないようにしています。ご理解賜りたく思います。ただ一つ言えるのはそこでお世話になった先生方には今でも感謝してます。ありがとうございました。
8c2c364d30d6009010571cd0668401cc_s「情緒障害児・吃音」という吃音専門書を読んで衝撃を受けたのを覚えています。だって・・障害ですよ。まさか・・自分の吃音が「障害」なんて・・思ってもいませんでした。しかも自分の吃音が治療対象・・って。。。強烈なショックでした。吃音は「学習されたもの」で、吃音と回避反応・・そして、随伴運動のしくみ・・などなど。まさに衝撃でした。ですから・・・このHPでは主に行動療法を中心に書かせていただいています。

 

吃音改善に向けての行動②

9058ac2f48ae870249e3aab2d54761b1_s話す機会を求めて、障害児施設でボランティアをしました。その施設では、自閉症・ダウン症などのお子さんが中心で音楽療法を行っていました。じつは・・そこで奇跡が。。。彼女が出来たんです!(正直すぎてすみません。不快な方、どうもすみません。)こういうことをHPで書くのは恥ずかしいことですが。
この彼女のおかげもあって・・・「どもっても、大丈夫!」という体験を多くさせてもらいました。今でも、この彼女には大変感謝しています。本当にあのときはありがとう。あと、大学卒業後、私は資格予備校で税理士試験の勉強していました。条文の暗記とか・・丸暗記でしたが・・それはいい朗読練習になったと思っています。結局、税理士試験は簿記論合格はもらえましたが・・なにせ5科目受からなきゃいけないんで残りの科目は諦めました。
297b957f20d2bbdab3e7353c67781692_sその後は・・塾講師や資格予備校講師・・などなどで、話す機会をどんどん増やしていきました。そこで、いろいろな経験をさせてもらって・・・「どもっても、大丈夫。どもっても何ともない」という体験を多く積んで・・、自己紹介での自分の名前が言えませんでしたが・・自然と言えるようになったり、美容院の予約とかでも、名前を自然と言えるようになり・・・電話での応答とか・・・どもりそうなピンチな状況でも・・自然とスラスラと言えるようになりました。私の授業・講義を好評価して下さった生徒・保護者・受講生の方々には、すっごく感謝してます。すごく自信になりました。
今思うこととしては、

      人間関係をよくするには、言葉は関係ない。大切なのは相手を思う気持ち。

他人はどこをみてるのか、というと、雰囲気のみ。

私がどもったところで、生徒・受講生にとっては、興味はない。つまり、どもっても、恥ずかしがることはない。

  • どもることは「悪いこと」と考えていたのは、私だけで、他人は、なんとも感じない。
  • 吃音だと何にも出来ない、と考えていたのは私だけで、他人はなんとも感じない。
  • 「この言葉、言えない。どうしよう。。もう、どもってもいいや~」って、どもりながら話したところで生徒・受講生・保護者の方々は、なんとも感じない。つまり、ゆっくりどもって、伝えるべきことはどもりながらでも伝えた方が良い。
  • 生徒たちは、みなそれぞれ得意・不得意がある。つまり、話すことが苦手で、どもりやすいっていうのは個性の範疇。

 

などなどの教訓を得ました。
上記をまとめると、次の3点に集約されると思います。

  1. 吃音を受け入れること(回避反応をとらない)こと、
  2. 「吃音」と「不安・恐怖」の連合を真っ二つにぶった切ること、
  3. 「吃音」と「安心」を連合させること