マスキング法

チェリーとサイヤーズによって開発された技法で、ヘッドホーンを使用して両耳に高い音圧の低音域の白色雑音を聞かせ、その間に音読させる方法。

マスキング法が吃音を抑制する理由

①自己音声の聴覚的フィードバックを遮断することによって、自己音声に対する干渉を不可能にし、自己音声に対する過度な注意の傾斜を抑制する。
②また、発語に対する不安緊張の生起を抑制する。

 

リズム変容法(規則音法)

メイアーとメアーによって開発された技法で、リズム効果が吃音を抑制することは古くから一般に知らされていた。これをメイアーとメアらは、メトロノームの音に合わせて音読させたり会話させることによって、吃音の生起を抑制し、スピーチの流暢性を条件づけして吃音の治療に効果を上げた。
※研究
吃音と聴覚の関係は密接であり吃音治療にリズム音やメロディを聞かせながら話したり、文章を朗読させたりすることは、以前からよく行われていました。

なお、次の研究結果があります。

チェリー(Cherry,C)1956年:大きな音を聞かせると吃音は著しく減少する、と報告。話声の低音域を遮断することが吃音のコントロールに有効である、と報告。

マライスト(Maraist,J.a)1957年:吃音者15名に白色雑音を聞かせて文章朗読を行った結果、遮蔽音が強くなるほど吃音は改善され、特に50db以上でその効果があった、と報告。

メイヤー(Meyer,V.)1963年:リズムが吃音者の治療に有効であると強調し、メトロノームを用いて規則音の出る携帯用機器を考案。1分間に90回のリズムが最も効果があったと、報告。