漸新的筋弛緩法

吃音者は・・発語で緊張することが多いですよね。
その緊張・不安を低減させてくれる方法が、この「筋弛緩法」。話さなければいけない場面に遭遇したとき、身体は緊張します。この方法は、緊張した身体を意図的に弛緩させる方法なんです。緊張を弛緩させる・・には、「弛緩している状態」を身体に覚えこませないといけません。
つまりこの筋弛緩法の最大のポイントは、筋肉が弛緩されていく感覚の再学習!!身体がリラックスしている状態は・・・どういう状態なのか??リラックスしていると、どんな感覚になるでしょうか?? それを十分に味わってください。話さなければいけない場面に遭遇した時は、「筋肉が弛緩していくイメージ」をして、緊張を低減させることが可能です。ぜひ、マスターした方がいいと思います。

漸新的筋弛緩法

ジェイコブソンによって開発されたもので、意識的に随意筋の緊張を弛緩させることによって、不安や過敏、不満をなくし情緒の安定をもたらしめる方法。
参考メージ:文部科学省:心のケア

■ やり方

各部位の筋肉に対して、10秒間力を入れて緊張させます。その後15秒程度でゆっくり力を抜いて筋肉を弛緩させていきます。

1、両手
両腕を伸ばして、掌を上にして、親指を曲げて握りこむ。
10秒間力を入れて緊張させる。
手をゆっくり広げて膝の上において、15秒程度ゆっくりと力を抜いて筋肉を弛緩させる。
筋肉が弛緩した状態を感じるよう教示する。

2、上腕
握った握り拳を肩に近づけ、曲った上腕全体に力を入れて10秒間緊張させ、
その後15秒程度ゆっくりと力を抜いて筋肉を弛緩させる。
筋肉が弛緩した状態を感じるよう教示する。

3、背中
2と同じ要領で、曲げた上腕を外に広げて、肩甲骨を引きつける。
10秒間力を入れて筋肉を緊張させ、
その後15秒程度ゆっくりと力を抜いて筋肉を弛緩させる。
筋肉が弛緩した状態を感じるよう教示する。

4、肩
両肩を上げて、首をすぼめように肩に力を入れる。
10秒間力を入れて筋肉を緊張させ、
その後15秒程度ゆっくりと力を抜いて筋肉を弛緩させる。
筋肉が弛緩した状態を感じるよう教示する。

5、首
右側に首をひねる。左側も同様に行う。
10秒間力を入れて筋肉を緊張させ、
その後15秒程度ゆっくりと力を抜いて筋肉を弛緩させる。
筋肉が弛緩した状態を感じるよう教示する。

6、顔
口をすぼめて、顔全体を顔の中心に集めるように力を入れる。
10秒間力を入れて筋肉を緊張させ、
その後15秒程度ゆっくりと力を抜いて筋肉を弛緩させる。
筋肉が弛緩した状態を感じるよう教示する。
(筋肉が弛緩した状態=口がぽかんとした状態)

7、腹部
腹部に手を当て、その手を押し返すよう力を入れる。
10秒間力を入れて筋肉を緊張させ、
その後15秒程度ゆっくりと力を抜いて筋肉を弛緩させる。
筋肉が弛緩した状態を感じるよう教示する。

8、足の下側
爪先まで足をのばして、足の下側の筋肉を緊張させる。
10秒間力を入れて筋肉を緊張させ、
その後15秒程度ゆっくりと力を抜いて筋肉を弛緩させる。
筋肉が弛緩した状態を感じるよう教示する。

9、足の上側
足をのばして、爪先を上に曲げて、足の上側の筋肉を緊張させる。
10秒間力を入れて筋肉を緊張させ
その後15秒程度ゆっくりと力を抜いて筋肉を弛緩させる。
筋肉が弛緩した状態を感じるよう教示する。

10、全身
1~9までの筋肉を一度に10秒間緊張させる。
力をゆっくり抜き、15秒程度筋肉を弛緩させる。筋肉が弛緩した状態を感じるよう教示する。