系統的脱感作

系統的脱感作とは、吃音不安・恐怖を抑制するイメージトレーニングです。

どうしたら不安や恐怖が消去できるのか?

どうしたら不安・恐怖を抑制できるか・・というと、不安・恐怖とは対極に位置する「安心(リラックス)」が大きな役割を担うことになります。
要するに、不安・恐怖に打ち勝つには・・・「安心(リラックス)」という意味なんです。

系統的脱感作の本質

この系統的脱感作の本質は、「安心(リラックス)」のイメージトレーニングです。その安心のイメージを段階的に行う・・それが「系統的脱感作」という意味です。

系統的脱感作の仕組み

まず、吃音と不安・恐怖、話す場面の関係をおさらいしましょう。吃音者は、「吃音」と「話す場面」が連合してます。

$$人(不安・恐怖)←吃音 + 話す場面$$

それを、「安心(リラックス)」によって、その連合をぶった切るわけですだから「安心(リラックス)=筋弛緩」ということ。安心をイメージする・・。安心(リラックス)は、「筋弛緩」になります。安心すると、筋肉がゆるみますよね。というのは、「筋肉が緩んでいくイメージ」ということなんです。  ちなみに、系統的脱感作は下記のような関係になります。

$$人(不安・恐怖)←吃音$$
$$↑ ↓拮抗関係$$
$$人(筋弛緩)←話す場面$$
話す場面をイメージして・・不安・恐怖を感じてきたら・・・・筋肉が緩んでいくイメージをしていく・・・・そうすると、「話す場面で→筋弛緩」となるわけで、結果として、不安・恐怖が筋弛緩で抑制されていく・・・・そんなふうにイメージしていくわけです。

系統的脱感作のやり方

次の3種類の手続きにより構成されています。
① 筋弛緩訓練
通常は自立訓練法を用いて行われます。
不安と拮抗する反応の習得が目的(リラクセーション)。
② 不安階層表の作成
不安・恐怖の程度を表にします(下記は例です。「情緒障害児双書・言語障害」から抜粋)。

項目 自覚障害単位(SUD)
自室で音読 0(不安がない)
家族との対話 10
親しい友人との会話 20
同僚との対話 30
上司への報告 40
小グループでの報告 50
失敗の報告と言い訳を上司へ 60
10人位の会議での報告 70
20~30人の会議での報告 80
50人の会議での議長または報告 90
100人の聴衆の前で講義する 100(不安が最も高い)

③ 各刺激項目に対する弛緩反応の条件づけ
不安階層表の中で示された刺激項目に対して、弛緩反応を条件づける訓練をします。これを脱感作といいます。脱感作には、各刺激項目を現実場面で体験させながら脱感作する場合(現実脱感作)とイメージに基づいて脱感作する場合(イメージ脱感作)の2種類があります。
いずれの場合であっても、自覚障害単位の数値が小さい項目から、大きい項目へと系統的に脱感作を行います。1つの刺激項目に対して、対象児が不安反応を示さなくなった段階で次の刺激項目が導入されます。SUDが100の刺激項目に対する脱感作が終了するまで続けられます。

管理人の考察

まぁ、上記の通りにやっていくのが通常なのですが、私は・・・・自分のやりたいようにイメージトレーニングをしてました(笑)。要は、不安が来たら・・筋肉が弛むイメージをする・・ということですから。筋肉が緩まない場合は・・・他の「安心」を想起するような、例えば「赤ちゃんのイメージ」でもいいし、「日向ぼっこをして、のどかな雰囲気をイメージ」でもいいですし、何でもいいんじゃないかと思ってます(笑)。
大事なのは、何度も言うようですが・・・不安・恐怖を感じたら、安心のイメージということです!!!あと、「現実脱感作」は結構使えると思います! 例えば、し~んとした図書館に実際行くんです。で、その場所で・・「名前を聞かれたら・・」ってイメージするんです。ちょっと緊張してきますよね。で、その場所で「安心」のイメージをしていく・・。どうでしょう。結構使えそうですよね。
実際の現実の場面に出かけて行って・・・「安心」のイメージをしていく・・。実際私はどうしてたか・・というと、某大手資格予備校での授業のとき、ちょっと早めに教室に行って、これを実際にやってました(笑)。教室が広いんですが・・ここで「自分の名前を言う・・」っていうイメージをして・・身体が緊張して不安を感じてくるんですが・・・これと同時に「安心」のイメージをしていくんです。ちなみに、私の「安心」のイメージは「日向ぼっこしているイメージ」です。この現実脱感作は・・使い勝手がいいと思います。いろんなアレンジができるし。。。