遊戯療法

遊戯療法とは、要は「遊戯」のこと。ただし、単純な「遊戯」ではなく、綿密な目的・やり方があるんです。それを少し紹介します。

なぜ吃音治療に必要なのか?

まず、最初に、遊戯療法では「吃音」の原因を「心理的葛藤」に置いています。吃音児の家庭環境、特に母親のとの関係ですが、母親の子供への姿勢が「規範的」と「過保護的」のちょうど真ん中あたりに位置している・・・、そこで、子どもはどうしていいかわからない・・・・という状況において、「心理的葛藤」が子どもの中で起きて・・・吃音が出る・・そのように捉えています。
具体的な母親の行動は、例えば・・・子どもの話し方に干渉するが、子どもの話の内容には目を向けない、など。子どもとしては、「話し方に気を付けるけど・・・お母さん、ぼくの話をちゃんと聞いてよ!」ってな感じで・・・子どもは「違和感」「不快感」「欲求不満」になり、「吃音」という症状が表出する。。。という感じです。
ちなみに、私の父親がまさにそうでした。。。父は「もっとゆっくり話しなさい」「落ち着いて話しなさい」といいつつ・・・幼稚園児だった私の話の内容を全く聞こうとしてくれませんでした。。。私は父が好きでした。。父と話せるのは仕事から帰った夜しかない。でも、母は祖母と仲が悪く、父に祖母の愚痴を言うので・・私が父と話す時間がなかったんです。。。母は愚痴をず~っと父に言ってて、父はず~っとそれを聞いてて、私の話を聞いてくれる余裕は全くない感じ。。それでも当時の私は、やっぱり父と話したかったから・・・・そういう焦りの気持もあって、言葉がどもるようになりました。。。まぁ、今となってはどうでもいいですが。
ただ、遊戯療法ではこの子どもの「心理的葛藤」に着目して、治療をするわけなんです。

遊戯療法って?

遊戯療法とは、日常生活とは異なったルールを用意し治療者との間の人間関係を基軸にして、不適切な、過去の学習を忘れさせ、新たな体験によって、新たな行動ルールを獲得していくもの。子どもにとって、遊びは、成長や発達を助けるものであり、自己表現を容易に行える心理的治療効果があります。

遊戯療法における子どもの反応

一般に次のような過程をたどると言われています。

順序 内容
1 不安と探索期(場の理解が未確立な段階)
2 行動化期
3 攻撃性表出期
4 創造と再構成期
5 離反期(治療が進み、問題が解消)

要するに、治療者が、それまで抑圧していた子どもの情緒や感情を受け止め、それを表出するような方向にもっていきます。すると、子どもは、情緒や感情を表出するようになってきます。すると、その表出が過激になっていき、攻撃行動へと移行していきます。攻撃行動は、言語的なものや、道具に対するもの、治療者に対するものなど様々です。攻撃行動は情緒・感情の解放という面があるので、それが解放されると同時に、吃音症状は減少していきます。