管理人による改善法

このHPの作成者である管理人が、自分独自でやってきた改善方法で行動療法を自分流にアレンジしたものばかりです。ご興味のある方、どうぞご参考になさって下さい。
ただし、吃音は、みなさんもご存じの通り、人によって吃音の程度が異なる・・・わけなので、改善が進まない方もおられることと思います。その点をどうかご了承下さい。

吃音改善方法の3大テーマ

管理人である私が考える改善方法の3大テーマは次の通りです。

  1. 回避反応を抑制する!
  2. 吃音と不安・恐怖の連合をぶった切る!
  3. 安心の再学習

私の3大テーマは、吃音症状そのものへのアプローチではなく、むしろ、吃音を維持・強化させている要因へのアプローチがメインです。

回避反応を抑制する!

回避反応をとることで吃音は複雑になり治療を妨げますので、回避反応を抑制するために、まずは「吃音を受け入れるという心の準備をします。

吃音を受け入れると回避反応が抑制できる理由

吃音を受け入れることで、エクスポージャー法と同様の効果が得られると考えています。つまり、吃音を受け入れることで、不快な刺激に慣れさせて、逆説的に不安感・恐怖感を和らげるものと考えます。

吃音を受け入れる方法

吃音は、恥ずかしいもの、情けないもの、良くないもの・・などと考えていませんか? 吃音は恥ずかしいものではなく、情けないものでもなく、吃音は誰にでも起こるものです。吃音はふつうです。まずは、そう考えて下さい。例えば、自分の醜い吃音する姿をよく見る。ビデオで録画、ボイスレコーダーで録音など。言友会など吃音者が集まる場所に行って、他の吃音者のどもっている様子をしっかりと見る、など。どもっている姿を何度も見ている・聞いていると、吃音に慣れていきます。
ただしこれは、場合によっては、精神的に辛いことでもあります。自分の醜いと思っている吃音をしっかり見るわけですから。それまで、吃音を忌み嫌っていたわけですし。吃音を忌み嫌うからこそ、吃音を回避していることでもあるし。そういう意味で、これが最初で最大の難関?かもしれません。

 

吃音と不安・恐怖の連合をぶった切る!

回避反応の原因は、「吃音と不安・恐怖の連合」なのでその「吃音と不安・恐怖の連合」をぶった切ります。

吃音と不安・恐怖の連合を切ることが吃音改善に有効な理由

心理学の学習理論によると、条件づけの原理により、吃音と不安・恐怖が鎖でつながっている(連合している)状態です。つまり、「吃音=不安・恐怖」みたいな関係っていう意味です。その関係性をぶった切ることで、吃音を丸裸にしていこう、というものです。
ぶった切ることを達成すれば、吃音が出ても、不安感・恐怖感は出なくなります。そうすれば、吃音があっても、「あれ?かんじゃった?(笑)」みたいな感覚になります。要するに、落ち着いて、冷静に「どもる」ことができるわけです。

ぶった切る方法

ぶった切る具体的な方法としては・・・イメージトレーニングです。「どもりまくっている自分のイメージ」をトレーニングします。

どもりまくっている自分のイメージをトレーニングする理由

どもりまくっている自分をイメージすることで、負の練習法と同様の効果が得られると考えます。つまり、どもりまくっている自分をイメージすることで、吃音に慣れさせて、不安感を低下させ、自分の意識・意図で、吃音を制御(コントロール)できる、という実感が得られると考えます。
いわば「吃音耐性」みたいなもの。吃音に耐える心を鍛える・・・そういうニュアンスに近いかもしれません。吃音に耐える心が身につけば、「自分の意思で吃音をしている」という感覚になり挫折感・敗北感・情けない感などの負の情動を消去させることが可能だと考えています。

 

安心の再学習

最後は、吃音と安心の再学習です。「吃音=安心」という関係を再学習します。

吃音と安心の再学習が吃音の改善に有効な理由

「吃音=安心」の再学習は、吃音の再発を防ぎます。吃音と負の情動を断ち切っても、吃音と安心の再学習がなければ、吃音が出た時に他人の理不尽な指摘がされると、「あれ?やっぱり吃音って、恥ずかしいものだ」と「吃音=不安・恐怖」という関係性を再び学習してしまう結果になる恐れがあります。
そのため、「吃音=安心」という健全な関係を再学習することで吃音の再発を防ぐ効果があると考えます。

吃音と安心の再学習の方法

実際に話す機会を設けて、積極的に「話す」行為をしていきます。どもったときは、「やばい、どもっちゃた~」と解釈せず、「どもっても、結構大丈夫じゃん」みたいな解釈ができるようにしていきます。

そのような効果が得られるには、一定の配慮(制約)も必要だと思います。つまり、誰でも何でも話しかける・・とか、そういうことではなく、また、発表の機会をとにかくたくさん設けるとかでもなく、話すことが必要な仕事に入って、とにかく話すことをたくさんする、ということでもありません。どもっても差し支えないような相手・場所・仕事など一定の配慮(制約)の下で行った方がいいと思います。
そうでないと、他人からの理不尽な指摘などによって「吃音=不安・恐怖」の再学習が行われてしまう可能性もあり、吃音悪化ということも考えられます。どもっても大丈夫、冷静でいられる、安心だ。そういう状態を様々な経験・体験から再学習しすることで、吃音が激減していくと思います。
吃音改善のコツ
管理人の実践してきた改善のコツです。宜しかったらこちらもお読みください。

発声練習と音読
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管理人の吃音歴

管理人の吃音改善の過程